花火
──……
夜空に華が咲いた日に始まった恋。
燃え盛る炎のように。
生まれてこの方、殆ど他人に興味を持つことがなかった自分。
ほんの小さなきっかけが、そんな俺を変えた。
それは、一人の女。
……ついこの前、約1年ぶりに彼女ができた。
相手は……
俺が教師を勤める高校の…………生徒。
……マジ、見事にハマったな。
俺はローテーブルに頬杖をつき、目の前で本を広げる“彼女”を見つめる。
ていうか、こんなに見てんのに、何で気付かねぇの?
集中しすぎだろ。
自分が勧めた本に嫉妬する。
……いや、嫉妬って。
本相手に何アホなこと考えてんだ。
彼女……リンに出逢ってから、俺は確実に変わった。