花火
道徳とかそんなものを放り出してでも、傍に居たい存在。
いや、危険な橋を渡ってることは重々承知のことだし、リンはまだ学生で。
ヤりてぇこと……いや、やりたいことなんてたくさんあるけど、あと半年は我慢しないといけない。
それはリンも同じ。
気持ちが通じ合って少し経った頃、青春真っ只中のリンを自分に縛り付けることに悩んだこともあった。
俺が教師であるばかりに、外で堂々とデートだってできない。
周りに言うことだってできない。
普段は近付くことさえ許されなくて、会うのは週末だけで、しかも場所は俺の部屋って決まっていて。
俺は全然いいんだけど、リンはまだ10代で多感な高校生だし、いつツマラナイと思われ始めるのかってつい考えてしまう。
こんなところにリンを閉じ込めて、独占して、ほんと、俺って悪いオトナだよな。
いや、悪い教師か。
はぁ、とため息が出た。