花火
「リン。怒った?」
「……怒ってません」
「怒ってるな」
「ま、せ、ん!!」
「くっ。かわいいねぇ」
「!!」
ぷぅとリンの唇が尖る。
あ、また膨れた。
そんな顔されると、振り向かせて笑顔にさせたくなる。
次から次に、ワガママ過ぎるよな、俺。
「!」
俺はリンに手を伸ばし、ムッとして尖った唇を親指で揉むように触る。
ぴくっと震えたリンの振動が伝わってきた。
「せんせ……っ?」
「機嫌直してよ。な?」
煽るように指を動かす。
「……こっ、」
「こ?」
「…………子供扱いしないなら、直してもいいです……っ」
「……ふ、何それ?子供扱いなんてするわけないだろ?」
できるわけもないし。
子供扱いしてるならこんなことしないし……、今からしようとしてるコトなんてしない。
俺は立ち上がり、リンの横に移動する。