花火
 

形勢逆転。


俺は女の唇を割って、女の口内に舌を入れた。


──本当のキスはこうするんだよ。


“先生”が教えてやるよ。


歯列をなぞるように舌を這わせ、刺激を与える。



「ん……んんっ……っ」



ゆっくりと味わうように、キスをする。


俺の舌の動きに合わせて、ピクン、ピクン、と反応する振動が伝わってくる。


さっきとは違い、俺が優勢になってから殆ど絡めてこなくなった女の舌に退屈になった。



「…………舌、お前も絡めろよ」



「──っ!」



潤んだ瞳、半開きの口、艶々と光る唇。


熱さと甘さを含む吐息。


──あ、ヤッベ……


今の顔、エロいって。


不意に身体の奥底に灯った熱に、ヤバイと思った。


……こんなガキに欲情するとか、俺としたことが。


もう、止まらない。

 
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