花火
ギシギシとベッドが揺れ、俺とリンの熱が混じり合う。
真っ白になりそうになった時、聞こえてきたのは……
「──ま、さや……っ!」
……“まさや”……?
──……あぁ、それが男の名前か。
と、どこか冷静に思うけど、何だか悔しいって気持ちが生まれた。
リンの中では、今俺に抱かれてるんじゃなくて、“まさや”って男に抱かれてるってことだろ?
抱いてるのは、お前を気持ちよくさせてるのは、俺だっつの!
──クソ。
何だよ、この気持ち。
意味わかんねぇ。
その場かぎりの女に、こんな風に思うなんて。
悔しさを吹き飛ばすように、俺は一気に昇りつめる。
同時に、リンのことも同じ世界に連れていった──。