花火
──……なんて先生を軽く見てたのに。
その予想は簡単に裏切られて、先生の方が上手だとすぐに思い知らされた。
少し話しただけなのに、私の性格わかっちゃうし、口止めしなくても私が誰にも言わないってこともわかってた。
──何で……そんなに私のことわかっちゃうの?
優等生を演じる私は“いつも余裕だよね”と言われることは多くても、こんなに押されることなんて今まで殆どなかった。
この日だって余裕に見せるために、気を張っていたのに。
先生は私の中にどんどん入ってきて、私の心を簡単に乱す。
……悔しい、って思う反面、それを嬉しいと思ってる私もいた。
もしかしたら先生は、私の汚い部分を、本当に理解してくれるかもしれない……と感じたから。