花火
この日、先生は私の予想を裏切るような言葉を言ってきたり、行動をしてきたりした。
……私のことが心配、って何で?
……私のことが気になる、って何で?
私は先生が働いている高校に通うだけの、ただの生徒だよ?
しかも先生が受け持っている生徒でもないから、関わることもなくて。
なのに気になるって……それは生徒として?
それとも──
疑問符だけが私の頭の中を覆い尽くす。
答えを知りたいと言っても、先生は教えてくれなかった。
それどころか、最後には──
予想外、って言葉じゃ片付かないことをされた。
……キス。
あの日のことが鮮明に蘇ってくるような、身体の奥が熱くなるようなキスだ。
心配だからって、気になるからって、キスするの?
そんなの、おかしくない?
教師が生徒に手を出すなんて、危険なコトって先生もわかってるでしょう?
先生が何を考えているのか、わからない。
……ねぇ、教えてよ。
あなたは先生でしょう……?