花火
力が抜けてしまって、私はその場にうずくまってしまった。
……今からどうしたらいいんだろう……?
先生が出した問題の答えは、私が出した答えじゃなかった。
──先生は私のことを好きなわけじゃない……。
答え合わせなんて、もう意味がない。
私が持ってた答えは、これだけだったんだから。
──今から選ぶべき選択肢は二つ。
このまま時間通りに先生に会いに行くか……
ブッチしちゃうか……
どっちを取っても、100%、私の想いが叶うことはない。
それならいっそのこと、もう先生に関わらない方が余計な傷は増えることはないはずだ。
……じゃあ、ブッチの方で。
わざわざ傷付きにいくことはないもん……。
──帰ろう。
もう、忘れるんだ。
あの夜のコトも、先生のことも。
ほら、きっと、雅也にフラれて先生に甘い言葉なんて掛けられて優しくされちゃったから、脳が勘違いしちゃってるだけ。
一時的な想いなんだ……。
今なら、引き返せる。
そう言い聞かせた私は立ち上がって、たった今来た道を歩き出した。