永遠の初恋を君に
再会

心愛side

「それより心愛~」
あゆが目を輝かせながら言った。

「うん??何ー?」
私が答えると、あゆはますます興奮しなが ら続けた。

「あのねあのね!今新しい転校生来てるん だけど、すんごくイケメンなんだって!! どんな人なのか見てみたくない??」

「うーん…私晃にしか興味な…」

私がそこまで言うと、あゆの言葉に遮られ た。

「またそんな事言って!!いい加減忘れち ゃった方がいいよ!これはね、きっとここ の為にあるチャンスだと思うの! そのなっがーい気持ちにさよならをっ!」

あゆが完璧だという風に頷きながら、ガッ ツポーズをとった。

「う、うん…」

あゆの迫力に圧倒された私はどんどん後ろ にせめられていく。

「あ、あゆの言いたい事も分からなくはな いんだけど…やっぱり私には晃しかいない と思うの… 例え晃がそう思ってなくても、私にとって はきっとずっと変わらないから。」

「ここ…」
あゆが何か言いかけたけど、私は

「じゃ、ちょっと散歩いってくる!」 と、手を振って教室を出た。

「え!?ちょっ!ここ!?もうHR始まる のにっ!それに散歩って?!」

あゆがあたふたしながら暴れた。

「うん、ごめんね。保健室って言っておいて」
そう言い残して私は教室を後にした。

後ろからは

「あたしのここがさぼったぁーー…」

あゆの大きな悲鳴が聞こえた。
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