愛するということ。
プロローグ


夏休みも、残りあと2日。


グラウンドで、野球部や陸上部が練習しているのであろうかけ声が、遠くのほうから聞こえる。


クーラーの効いた静かな図書館内。



ほとんど本を読むことのない自分には不似合いな、分厚めの小説と睨めっこしていると、あたしの向かいの席に1人の青年が座った。



夏休みだからか、館内はほとんどが空席。


それにも関わらず、わざわざ人のいる向かいの席に座るなんて、変わった人だな…。


なんて思いながら目を向けた瞬間、あたしははっと息をのんだ。

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