愛するということ。
前髪を抑えながら、少しはにかむ六花。
六花は、女の子らしいふわふわした雰囲気を持っていて、いわゆる天然癒し系。
背も小さくて可愛いんだから、男子にモテるのも無理はない。
「そうだ!ことちゃん、夏休み課題の読書感想文、書いたぁ?」
歩きながら、六花が話す。
「もちろんっ!あれをしなきゃ単位くれないって、先生に言われたら、さすがにあたしもするよ!」
胸を張って答えるあたし。
…まぁ、書いたのは、2日前だけど。
そういえばあの日、読書感想文のための本を図書館で読んでたら、男の子なのにすごい綺麗な人と会ったんだっけ……。
普段、図書館なんて全く行かないけど、もしかしたらあの人は、よく通ってるのかもしれない。
…なんて、少し目が合っただけなのに、今でも気になってしまうあたしは、一目惚れでもしちゃったのかな…。
いや、だけど、一目惚れなんて少女漫画みたいな話…
まさか…ね。