あたしと君と猫と
ななせちゃん(なんか自分のことちゃんづけで呼んでるみたいでなんか嫌だなあ…)は入野学の腕の中で顔を体に摺り寄せながら喉をごろごろと鳴らしている
「じゃあ、私もう行くわね」
「うん!本当ありがと!!あ、やっぱり待って!」
「…」
次は何!
「家、この近くなの?そうだったら途中まで一緒にかえろ!」
◇
「私、こっちだから」
そう言って十字路の右側を指差す
「えっ、あーそっかー、もっと小沢さんと話したかったのになー」
そう言ってしょぼんと眉を下げる
うわっ!なんか見えちゃいけないものが見える!
入野学に犬の耳が…!
「でもしょーがないよなー、じゃ、小沢さん、今度一緒に遊ぼうね!!ほらななせもおざわさんにばいばいってっ」
「にゃーん」
「うん、じゃあさようなら」
「ばいばいっ」
なんか今日はすんごい疲れた気がする…
てゆーかさりげなく今度話す約束、しちゃった…?
いやいや、あんなのただの社交辞令よね
明日になったら入野学もそんなこと忘れてるわよね