あたしと君と猫と
「…待って…、よ」
歩くのをやめるとジャリ、と音がした
「それじゃあまるであたしが入野学のこと好きみたいじゃん…」
言葉に出してみると今日学校でして来たことが全部恥ずかしく思えて
顔に熱が集まった
「…ッ」
ありえない!!
だって、あたしが入野学を好きになる理由なんてないもん!
だってあたしたちって昨日まともに話したばっかなんだよ?!
好きになる理由なんてないよ
あたし、目立ちたくないもん(いや、実際目立ってるんだろうけど)
あたしが入野学と話したら今よりも目立ちに決まってるもん
そう思ったら顔の熱が冷めて喉がきゅうって苦しくなった
「あたし、が
入野学のこと…?」
「………」
…帰ろう
今ここにいても何もならないもん
「よし!」
「ニャォン」
「!」