あたしと君と猫と



すうっと入野学が息を吸った

そしてあたしをじっと見つめた



どこに視線をもっていっていいのか分からずと惑ってしまう


でも、駄目だ


こくりと唾をのみこむ



ここで目をそらしちゃ、だめ



あたしも入野学を見つめたまま出てくる言葉をまった




「……小沢さん」


「…っなんですか、」





すこしの沈黙のあとまた小沢さん、と呼ばれた



今度はさっきよりも大きく深呼吸をするように息を吸う







「小沢さん、おれのこときらいっ?」




………




「へっ?」





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