隣の席の鈴木君
「部長」

私の背後からそんな声が聞こえた。

後ろを振り返ると、

噂の人物が、無表情で立っている。

それを見た部長は苦笑い。

・・・

「この企画の件なんですが」

相変わらずの無表情で、

淡々と話しを進めるのは鈴木君。

・・・

「わかった向こうで話そうか。

…じゃあ、変更はナシだからな?西野。

今後も期待してるから頑張れよ」

そう言ってさっきの話の続きをすることは

出来なかった。

・・・

デスクに戻り、

よくよく考えてみると、

鈴木君にまんまとやられたようだと気が付いた。

鈴木君はきっと、

私とのパートナーを志望したこと、

本人には知られたくなかったんだろう。

凄く気になるが、

鈴木君に免じて、許してやろう。
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