隣の席の鈴木君
2人の言い合いを黙って見つめる。

・・・ん?

相手の男の顔を、

よくよく見て見ると、



「奏(そう)・・・?」


「やっと誰だかわかった、バカ聡美」


安田 奏27歳。

私と幼なじみで、カメラマンをしてる。


一年間だけだったが、

ルームシェアをしていた。

ルームシェアと言っても、

奏は多忙な身で、ほとんど、家にはいなかったんだけど。

そんな奏は、半年前、

海外に撮影の為、ルームシェアを止め、

単身オーストラリアへ飛んでいたはず。



「どうやって入ってきたの?」


「エ、鍵返すの忘れててさ、

ま、いいかってな感じで、入ってきた」


悪びれもなくそう言った奏。

呆れ顔の私。

全く理解不能な鈴木君。
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