隣の席の鈴木君
小さな声で呟く。

・・・!!!


突然、奏は俯いていた顔を私に向けた。


「な、何?」

「そんな顔の聡美は、いらねえ」


「?!…バカ!」

あまりの暴言に、思わずそんな言葉を発していた。


「…バカはお前だ」

奏はニヤリと笑ってそう言った。


そんな私たちの会話を、

何を言うでもなく、

鈴木君は黙って見ていてくれた。




「鈴木正宗さん」

「…なんですか、安田奏さん?」


・・・しばらくの沈黙が続いた。



「聡美の事、宜しくお願いします」

「…貴方は聡美の保護者ですか?」


「・・・みたいなもんですよ」

「…聡美さんは、オレがしっかり守ります」
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