隣の席の鈴木君
それ以上の言葉は、

鈴木君も、奏も、何も言わない。


・・・でも、

なんだか二人はとってもスッキリした顔をしていた。



「…奏」

私の言葉に、

鈴木君がこちらを見る。



「もう、行くわ・・・

向こうに帰らないといけないし」



「…もう、行くの?」


「突然仕事休んだからな?

会社から何度も帰れコールがうるさいし。

お前も、今からデートだろ?」



「・・・うん」


「・・・その顔、何とかしろよ。

どこにも行けねえぞ」

そう言った奏は、クスクスと笑った。



「…元気でね、奏」

「・・・お前もな」
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