隣の席の鈴木君
と、ありえない言葉を耳にした。

恐る恐る時計に目をやると、

もう午前0時をまわっていた。


「た、タクシーで帰るから」


「・・・」


「本当に、ごめんね?

色々迷惑かけて」


私は涙を拭い、その場を去ろうとした・・・が。


「鈴木…君?」

「いいから泊まっていけ」


「む?!…無理だよ」

「取って食ったりしない」


と、取って食うだなんてそんな・・・



「ほらこれ、着替えとタオル、風呂はあっち」

「え、あ、え?」

タオルと着替えを持たされた私は、

お風呂の方に、体を回され、背中を押された。

…逃げるに逃げられなくなった。

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