隣の席の鈴木君
クーラーで涼んだ鈴木君は、

ずっと真っ赤な顔の私の為か、

Tシャツを着てくれた。


「気にするなって言ったのに」


「…無理です」



「飯、食った?」

「あ、うん、ご馳走様、

スッゴク美味しかった・・・

今度料理教えて」



「・・・西野って、料理するの?」

「…全然」

真顔で言ってのけた私。

その私を見た鈴木君は、プッと吹き出した。



「…鈴木君が笑った」

「・・・西野が笑わせたんだろ?」


「まともに笑ったの、初めて見たから。

4年も一緒に仕事してたのに」


「・・・」


「もっとそうやって笑ってよ。

鈴木君、毎日楽しそうじゃないから・・・

私といても、楽しくないのかなって・・・

ちょっと落ち込んでたんだよ」
< 34 / 137 >

この作品をシェア

pagetop