隣の席の鈴木君
社に戻る最中。


「心配するな」


大いに不安いっぱいの私に、

鈴木君が言った一言。


その言葉の根拠は?



「オレは聡美が好きだし、

聡美もオレが好きだろ?」



「・・・うん」



「あんな男の誘惑に、

聡美は引っかかる?」



「…絶対にない」

・・・と、思う。



「オレがいつも聡美を守るから。

だから聡美はいつものお前でいろよ・・・

オレはおとぼけな聡美が好きなんだから」



「…おとぼけって言うな」

ムッとしてそう言った私。



「何も考えるなってこと」

そう言った鈴木君は、

私を抱き寄せた。
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