隣の席の鈴木君
【鈴木side】

美智子先生から呼び出しを受け、

仕事の相談だと言われ急いで来たのに。

…確かに。

仕事の相談ではあった、最初は。


でもその相談は1時間もかからなかった。


「正宗ちゃん」

「何ですか、美智子先生?」



「これから私に一日付き合ってよ」

「…一日ですか?」


「たまには息抜きしたいじゃない?

これも大事な仕事だと思って。

いい作品の為だと思って」


「…内容によりますが」

オレは溜息をつきながら、美智子先生を見た。


美智子先生は可愛らしく笑って見せた。

「女の息抜きって言ったら」

…買い物。


…映画。


…食事。

普通の息抜きに安堵しながら、

それに付き合った。
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