隣の席の鈴木君
「な、何でもありません・・・」

私は涙を拭い、

笑って見せる・・・


でも、龍之介は、真剣な顔をした。


「うそ、つくなよ」


次の瞬間には、

私は、龍之介に抱きしめられていた。


・・・何で龍之介に抱きしめられているんだろう?


抱きしめてもらいたいのは、

龍之介じゃない。


あの低くて優しい甘い声の鈴木君に、

好きだよって・・・

愛してるって・・・

耳元で囁いてもらいながら、

ギュッと抱きしめてもらいたいのに・・・


龍之介の腕から、

抜け出すことも忘れ、

私は涙を流し続けた。


どうしてこうなっちゃうんだろう・・・

< 74 / 137 >

この作品をシェア

pagetop