隣の席の鈴木君
「…聡美」

・・・?!

幻影が喋った?

・・・いや、違う。

私の真後ろからその声は聞こえた。


驚き振り返ると、

そこにはさっきと同じ、切ない顔をした鈴木君。


・・・さっきのは、幻影なんかじゃなかった。


「・・・どうして」

・・・その言葉と同時に、

私は鈴木君に抱きしめられていた。


・・・

「美智子先生のあの言葉で、電話が切れて。

電話をかけ直そうにも、充電切れで・・・

聡美はきっと不安に思ってる、傷ついてるって思ったら、

いてもたってもいられなくて、

終電で来るつもりだった・・・でも。

その終電ももう終わってて、、目に留まった

タクシーに飛び乗って、着くのが今になった」



「・・・美智子先生と、付き合うの?」


「…何でそうなる?」


「…だって、美智子先生、綺麗だし・・・」

「…バカだな」
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