隣の席の鈴木君
「千田先生と、寝た?」

「?!・・そんなことしてない」

私は何度も首を振って見せた。


「じゃあ、キスはした?」

「それもしてない」

鈴木君の質問に必死に否定する。



「…じゃあ、抱きしめられた?」

「・・・」

それは否定できない。

不可抗力であっても、

抱きしめられて事は消せない。



「…じゃあおあいこ」

「・・・へ?」


ポカンとした顔で鈴木君を見上げる。

鈴木君は少しバツの悪そうな顔で言った。


「あの時の電話の時、

美智子先生に抱きしめられた」


「・・・」

「聡美は自分から抱きしめてないんだろ?」

「・・・うん」

「オレも同じ。向こうが勝手にしてきた事。

嘘はつきたくないから、今のうちに言っとく」
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