隣の席の鈴木君
東京、鈴城出版社。


「聡美ちゃ~ん♥」

「・・・なんですか・・・

千田先生」


「いい加減離れてください」

ここまで来ると、

私も鈴木君も、

もう何も言えない。




「いいじゃないか?

恋人にはなれなかったんだから、

諦めてあげたんだから、

仕事の時くらい、引っ付いたって」


そう言って駄々をこねる千田龍之介。


私は困惑の表情で鈴木君を見つめる。


鈴木君は、もうお手上げ!のポーズを取って、

呆れ顔。


癖のある小説家は、

本当に諦めの悪い駄々っ子のようだと、

今回の事で、思い知った私と鈴木君でした。
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