短編花の色は移りにけりな悪戯に
20才のある晩。
精神的にも肉体的にも疲れ切って寝ていた時、私は幽体離脱をしかけた事がある。

床に布団を敷いて寝ていたら、斜め上30度くらいに、なくてはならないカラーBOXが、真っ直ぐ目線にある事に、恐怖を感じたことを今でもよく覚えている。

お酒も飲んでなかったし、勿論、薬物をやってた訳でもない。
きっと一人暮らしを始めたばかりのあまりの孤独感からくるストレスや色んな過労がピークに達したのだと思う。

私は、その時、瞬間的にこのまま死ねたら楽だろうな!

どうしよう?!
でも、今、死んだら惨めだ!

私には夢がある!
生きたい!
そう思った瞬間に!

体が布団に1メートルくらいの高さから落ちた。

やっぱり浮いてたんだ!

と思うと、無性に怖かった。
真夜中の暗闇が余計に恐怖心をあおって!

携帯電話を取りたかったけど、体が動かなかった。
そんな時に、なぜかたまたま彼氏から電話が鳴った。

凄い、偶然だった。
私は、必死で携帯を取り、興奮気味なのに、寝呆けてしっかり喋れない声で、
「今、かけようと思ってたんだけど、金縛りみたくなっててかけれなくて!信じないと思うけど、今ね、幽体離脱みたいのにあったの!」
そう、彼に言うと、拍子抜けするような答えが返ってきた。
「俺も、なったことあるから分かるよ」
「え!あるの?」
そんな、あっさり!

次の日、話した友達も、すっごい秀才の姉もあったことがあると言っていて、ビックリした!
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