短編花の色は移りにけりな悪戯に
化学もよく分からないし、宗教も信仰していないし、幽霊もいるのかどうかも分からないから。
結局、よく、分からないのだけれど。

今、分かることは日本の春は、やけに眠いことだけは確かだと思う。

「はぁるよ〜遠き春よ〜」

携帯の着信音で、私は目覚めた!

電話をとろうと思ったら、寝呆けて間違えて、マナーモードを押してしまった。

AM2時26分だった。
私は、一体何時間寝てたんだろう?!

電話の主は、けんけんだった。

最近、たまたま出会って、たまたま紹介されて、たまたま皆で、ご飯を食べに行って、なんとなく番号交換して、たまたま、もう一回バーで、会ってその後、一回だけ電話でだらだら話しただけの男。

その時の景色は、家の近所の桜が凄く綺麗で、風が冷たかった事を覚えている。

長身で、O型で33才、格好悪くもないけど、超タイプでもないけど、アンニュイな感じがなんとなく好感を持てる人。
趣味のスキューバダイビングという共通点が、私の興味を引いて!

たまたま意気消沈していた一週間前の月曜日、彼に電話をかけたけど、私の電話をシカトした男だ。

寝呆けながらも、こんな夜中に何の用だろう?と、気になって、コールバックしてみた。
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