lacerate
「えっ…観…覧…車?」驚いたように夏実が聞き返す。

「…うん。北斗くんにね…遊園地行ったこと無いって美紅が言ったらね…北斗くんが、美紅のことダッセェって…」涙を流しながら美紅が言った。

美紅の涙を手で拭いながら夏実は言った。「じゃあ…、拓海くんが帰ってきたら聞いてみよっか!遊園地行って、観覧車に乗ってみたいって」

「…うん!」美紅は笑顔で返事をした。「美紅がパパに聞くんだからね?ママは何も言っちゃダメだよ?…絶対に、しーだからね?」

「勿論!パパきっと喜んでくれるよ。美紅がデートに誘ってくれたって。」夏実は微笑んだ。

「パパ早く帰ってこないかなぁー…」美紅はとても嬉しそうに玄関を見つめた。
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