不器用少女と一途な少年



……忘れて?



…どうして?









「…相坂、忘れて。
…勝手でごめん。…困らせて、ごめんな。」








悲しそうな顔をして謝ってくる。
微かに声が震えていた。





思考が追いつかない。





ただただ、

真城の悲しそうな顔が、目に焼き付いて。


真城の悲しそうな声が、耳に残って。




心が、張り裂けそう。












「真、城……」









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