不器用少女と一途な少年



分からないから、困ってるんだ。





みんなそう言う。







でも…分かんないよ?




分かんないよ。






なに?

私の気持ちって。










「…分かんない」









突っ伏したまま話す。




緋色がため息をついた。








「分かんない、じゃなくて…気づきたくないんじゃない?
いや…気づいてないフリしてるでしょ?」









緋色の呆れた声。



当たり前か。
私だって自分に呆れてる。










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