不器用少女と一途な少年
――
放課後。
「相坂っ!」
下駄箱へ向かっていたら後ろから声をかけられた。
相手はもちろん真城。
「…なに。」
自分でもびっくりするほど低くて不機嫌な声がでた。
ちょっとうろたえる真城。
「あ、えっと…。帰りも……」
真城の態度と話し方から、
「帰りも一緒に帰れない」っていうことが分かった。
「……もういい。」
真城の言葉を待たずに
クルリと振り返り、不機嫌そうな足音をたてて
その場をあとにした。
後ろの方で
「あ、相坂…」
と、弱気そうな真城の声がしたけど
それに反応しなかった。