不器用少女と一途な少年



「あっ…わりぃ…そうだな。」




手が離された瞬間、少しだけ寂しくなる。



(ちょ…自分ばか!)



真城をみると、申し訳なさそうな顔をしていた。


「相坂…ごめんな…」



いきなり謝られて、慌てる。
まさか謝られるとは思っていなかった。

むしろ助けてもらったのに……。



「えっ!!いや…大丈夫だよ…ありがとう…助かった。」



「…ついカッとなっちゃった」




冗談っぽく言って笑う。



「真城でもあんな風に怒るんだね」



意外だった。


怒ってる姿なんか見たことなかったから…。
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