カミレンジャー! その2
 ・・・・・30分後。

 とまぁ。そんな感じで、隊長に言われた賀流公園に着いたとき、一人、ブルーだけが、とてつもなくへとへとになっていた。

 ちなみに市役所から賀流公園まで自転車でも10分。

 ピンクがどのような運転をしてきたのか、まったく謎だ・・・。

「あれブルー?車酔いでもした?情けないわね・・・。」

「・・・・・・・」

 目で訴えてみる。

「どうしたの?」

 ・・・無駄だった。

「だから、アレほど運転変わるといったじゃないですか!?」

「そうだっけ?」

「そうですよ。よく、生きてここまでたどり着いたものだと感心しますよ。」

 青山は生まれて初めてこの市が田舎であることに感謝した。

「まったく、こまかいことは気にしないの。少しはイエローを見習いなさいよ。」

 運転中も動じることなくケロリとしていた脅威の三半規管を持つ少年。実。

 今は、背伸びをしている。

「・・・無理です。」

「あ、ブラックが来ましたよ。」

「!!」

 イエローの一言で、青山は一瞬で顔を整える。

 声も変えて、決して恵に自分だとばれないように努力しなければ・・・。

「お久しぶりです。ブラック。」

「あぁ、久しぶりイエロー。相変わらず可愛いよね。」

 恵、その誉め言葉、男には辛いぞ。

「お久しぶり、ブラック。」

「お久しぶりピンク。相変わらず・・・・酒臭いわね・・・。」

 他に言うことはないのか?

「あ、初めましてブラック。私はブルーです。」

「あ、久し振り茂。相変わらずのようね・・・。」

 青山の努力は20秒で終わった・・・。

「な、なにを言う?私は正義の使者カミレンブルーだぞ。」

 それでも、必死のごまかし。

「茂・・・私、一応あなたのことは隊長からすでに聞いているんだけど・・・。」

 ナント!!!

「そ・・・そうなのか・・・ひ、久し振りだな恵。何年ぶりだ?」

 思いっきり恥を書いた後、ごまかすための世間話。

「約2年かな・・・こんな形で再開するなんて思っても見なかったわ。」

「まったくだ。」
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