人形と王子様【完】
「 やばっちょぉかっこよくなぃ?!」
「 なにあれ!!外人!? 」
「 ちょっとあたし狙っちゃぉっかなぁ 」
「 やぁだぁ!あたしが狙う~ 」
などと口々に言っている。
確かに見た目は悪くはない。
「 じゃぁ空いている席に適当に座ってくれ 」
「 はい 」
あ、目があった。
すると彼は窓側の1番後ろの席のあたしの前に来た。
「 こんにちは、君の名前は? 」
「 は? 」
なにそれ。まるで初対面みたいな言い方。
なにこいつ。キラキラな笑顔つくって。
気持ち悪い....
昨日とはまるで別人みたい。
「 ?隣...いい? 」
「 無理 」
「 やった!ありがとう 」
そう言うと彼はあたしの隣の席に座った。
ーーなにこいつ...
人の話聞けよ。