片思い
出会い
「あははっ」
教室の中で無邪気に男子とじゃれあう君。
かわいいなぁ、なんて思いながら君のことを見つめていた時、
「なーつきっ♪」
突然背後から名前を呼ばれた。
一瞬ビクッと驚きながら後ろを振り向く。
すると友達の真矢がいた。
「なんだぁ、真矢かぁ」
「なによそれ〜。私じゃ不満??」
「ちーがーうっ!!ただびっくりしただけ!」
「はいはい、わかりましたぁ〜。って、今日も森ウォッチング??」
「ちょっと勝手に変な名前つけないでよ」
「いいぢゃん♪そんなかたいこと言わないでも〜」
「まったく、も〜」
呆れたようにため息をつくと、悪びれた様子もなく「ごめんねぇ」と、舌を出して笑う真矢に怒る気なんて失せてしまった。