桜色の川と君の詩

「そうだけど、何か?」


腹が立っていた。ヤバそうな男だけど、バイクをけなされた時点で腹が立っている


僕はヘルメットを右手にしっかり握った。


ソイツは威嚇するように言った


「お前、よそから来てウザいんだよ。人の女に手だしやがって…。裕二も迷惑惑してんだよ」


カチンときた


「迷惑?何言ってる?挨拶も無しにあんた何勘違いしてんだよ」


いつの間に立ち上がり相手を睨みつけている自分がいた


谷と呼ばれた男は手が早かった…



いきなり頬に痛みを感じてふらついた
殴られた…そして胸元を掴まれる


僕はソイツの頭めがけてヘルメットを思いっきり叩きつけた


ゴンッ!
避けようとした腕ごと頭に当たったようだ
ヤツがうずくまる



ピーッ


笛の音が不意に鳴った。


三人とも音の鳴る方を見る…
教官だった



< 27 / 60 >

この作品をシェア

pagetop