桜色の川と君の詩
「そうだけど、何か?」
腹が立っていた。ヤバそうな男だけど、バイクをけなされた時点で腹が立っている
僕はヘルメットを右手にしっかり握った。
ソイツは威嚇するように言った
「お前、よそから来てウザいんだよ。人の女に手だしやがって…。裕二も迷惑惑してんだよ」
カチンときた
「迷惑?何言ってる?挨拶も無しにあんた何勘違いしてんだよ」
いつの間に立ち上がり相手を睨みつけている自分がいた
谷と呼ばれた男は手が早かった…
いきなり頬に痛みを感じてふらついた
殴られた…そして胸元を掴まれる
僕はソイツの頭めがけてヘルメットを思いっきり叩きつけた
ゴンッ!
避けようとした腕ごと頭に当たったようだ
ヤツがうずくまる
ピーッ
笛の音が不意に鳴った。
三人とも音の鳴る方を見る…
教官だった