桜色の川と君の詩
教官は何も責めなかった
手当てを奥でしなさい…それだけだった
由希と目が合った
涙ぐんでいる…
僕は目をそらした。
殴られのを見られた恥ずかしさと、由希がヤツらと知り合いなのに頭に血がのぼったからだ
「渡辺君、大丈夫?」
吉川さんの声だった。隣に須永さんもいつの間にか来ている
「大丈夫…びっくりしたな…なんだってんだろう、アイツら」
冷静になると、人混みがうっとおしい。
ヘルメットをかぶると急ぎ足でバイクに跨りエンジンをかける
由希が僕を見ている…何かを言いたいのがわかる
僕も言いたかった
(昨晩?遊ぼう?裕二って誰だ?)
だけど今は、ここから去りたい…
急いで教習所を出た。気持ちが高ぶっている…
アクセルを思いきり開いた