桜色の川と君の詩
やはり由希はいた…
バイクの音で気づいたのだろう。こちらを見て立っていた
「よっ!」
いつも通りに軽く声をかける…それ以外に何ができる?
「啓介さん…」
由希の目から涙が落ちた…ポロポロ止まらなく
「由希ね、別れるため裕二君に会ったの……でも先輩とか連れてきて…」
「話をそらされて…納得してくれなくて」
由希の気持ちが痛々しかった。
「ごめんなさい、教習所まで迷惑かけて…」
由希の涙は止まらなかった
僕は由希をしっかりと抱きしめた
「迷惑なんてかかってないよ、由希。ホントだ」
「でも啓介さん、由希が付き合ってるの言ってなかったし…嫌われたって…」
由希は泣き続けた…
僕はただ抱きしめた。この愛しい人が泣き止むまで…
それが自分の役目だから。そして僕にしか出来ないことだから