桜色の川と君の詩

「あっかいね…啓介さんの上着」


由希はそういうと僕の肩に寄りかかった



「まだ二人でいたいな…」


遠くを見ながら僕は言った




「今日ね…遅くなっても平気だよ…」


由希も湖面を見ながら答えた


由希を引き寄せてキスをする…



少し湿った風と森の匂いが妙に懐かしく心地良い



二人きりになれる場所がほしかった




そう。教習所からの帰り道…君と手をつないだ時からずっと思ってた…




君に会うまでは真剣にそう思うことは無かった






その日、僕と由希は初めてお互いを確認しあった


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