桜色の川と君の詩
家の前で由希を下ろす頃にはすっかり遅い時間になっていた
「大丈夫?家の人怒ってない?」
「うん、もっと遅くなるって言っておいたから」
安心した。
「じゃ、明日帰る前にTELするから」
僕は明日から教習所が休みなため5日間家に帰る
由希と会えないのは寂しいけど民宿を借りる金も無いし、たった5日間だ…
「啓ちゃん!」
由希が近づいてきた
「チュウして…」
僕は由希にキスして手を振った
由希も手をふりつづけた
宿舎に着いて僕はびっくりした
灯りが一つも着いてない…
部屋に入ってまた驚いた。誰もいない。
皆今日で帰ってしまったらしい…
改めて自分の呑気さに気づいた
僕のカバンの上にメモ用紙が置いてある
吉川さんからだった
“休み明けまた会おうネ。今度は仮免うかるぞ”
吉川さんらしくて笑えた。
TELがきた。由希からだった