桜色の川と君の詩
休日僕は由希を乗せて山を走った
キンモクセイの香りがそこここでする
僕は春の沈丁花と秋のキンモクセイが好きだ。
バイクで走ると、空気の匂いに敏感になる
雨の降る前の湿った風、海の潮の香り
都内の排ガスや濁った空気・・・・
風は外身の体に伝えてくる。
小さな観光地で歩きながら僕は言った
「ねえ、由希、毎週必ず会いにくるよ。だから寂しがる事はない…今までと変わる事なんて、ここにいないだけで、後はないから」
由希はうつむいて答える
「うん。由希は啓ちゃんの事好きだから平気。ただ寂しいだけ…とても」
僕のことを信じてるとか言わず、好きだから近くにいないと寂しい言う由希の真っ直ぐさがいじらしい…