桜色の川と君の詩
八王子…
学生の街。バスターミナルには大学や短大に通う学生が並び、夜のメインストリートには学生達が溢れている
東京であって山に隣接し、神奈川、山梨とを県境にもつ一番外れの街
僕はここに3年半住んでいた
就職活動と免許を取る為、先月アパートを引き上げたばかりだった
駅の階段を駆け上がり、改札口の前に立つ
「啓ちゃん!」
ドンと由希がぶつかってきた。
黒に黄色のストライプのワンピースにジャケットを着ている…
いつもよりかなり大人っぽい格好
「由希、すぐわかったみたいだね」
「だって啓ちゃん着てるの変わらないもの」
「昨日の今日だもの家に帰ってないし、変わらないさ」
由希は化粧もしてるのだろう、やけに大人っぽく見える
高校生に勘違いした頃が嘘のようだ
「由希、可愛いな」
由希は一瞬照れて言った
「啓ちゃんはいつも通り格好いいよ」
僕は由希の手を取り出口へ向かう
由希はその手を頬に当ててうつむいた