桜色の川と君の詩

由希は最初微笑んだが、しばらく僕が見ていたので照れて下を見つめた


僕は改めて由希を好きなことを知った



「由希、浜田省吾の『路地裏の少年』って知ってる？」


「ううん、浜省は聞いたことあるけど…曲は知らないよ」


「そっか、知らないよな…」


「いい曲？今度聞かせてね」


「俺ってさ、ずっと路地裏が好きだったんだ…表通りよりなんか性にあっててね…」


「うん…」

由希はうなずく



「ずっと待ってたんだ…何か…足りない物」


「何か足りない？」

「ああ、上手く言えないんだけどね…
でも、もしかしたら無いものかも知れない物…」


「由希もなんとなくわかる…」


由希はうなずいて僕を見た