桜色の川と君の詩


夕立だ。


かなり強い雨足になり、あっという間にずぶ濡れになる。


(確かこの先に屋根付きのバス停があった少し休もう)


バス停が見えてきた。上着はぐしょぐしょでもう水を吸わない。


バス停に人影が見える。老人のバス待ちかな?
メットのシールドが曇り、確認なんて出来やしない


バイクを止めると慌てて屋根の中に入る。

「やぁ…スゴい雨ですね…びしょびしょだ」


人影に話し掛けたが返事はない。


そこで上着を脱ぎ、メットを外して初めて僕は驚いた。


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