【完】あの子の隣にいるのはスキな人……
ー練習試合ー
美咲君にあたしが正直な気持ちを伝えてから、
1週間が経ち、
夏休み真っ最中。
そして、あの後亜澄とは全く会話がなく
亜澄とは仲直りが出来ないまま。
はぁ。
今日もあたしは、
ベッドで、ゴロゴロするだけ。
「課題しなきゃ……」
あたしは、起き上がって
学習デスクに向かう。
カバンから勉強道具を出し
課題を始める。
でも、バカなあたしには到底分かるはずもなく、
ノートを開いてシャーペンを
握って固まるだけ。
あの頃みたいに、啓人と笑いたい。
もう一度啓人の隣で、
笑いたい。
「才華!!」
1階からお母さんの声が聞こえる。
「何?」
「仕事行ってくるからね?」
「はぁい。」
という、なんともない会話をして
お母さんは玄関から出て行った。
この家には
あたし1人になった。