【完】あの子の隣にいるのはスキな人……
あたしは少しの間美咲君を抱きしめていた。
でも、美咲君が起きる様子がなかったからあたしは
その場を後にして教室に戻った。
「紗有里さんに会えるといいね…」
そう呟いて……
教室に戻ると、クラスは生徒たちでにぎわっていた。
もうすぐ2学期初めのテストがあるというのに、
どうしてこんなに騒いでいられるんだろう……
そんな風に思いながら席に着いた。
あっ、そうだ……
みんな、頭いいんだった……
あたしが馬鹿なんだ……
忘れてた。
実をいうとこの高校、補欠合格だったんだよね……
啓人も知らない事実だけど……
あたしは補欠で受かったんだった…。
忘れてたよ……
だからみんな余裕なんだ。
なんて考えながら
「はぁ」とため息をこぼした。