【完】あの子の隣にいるのはスキな人……
「榊君少し話しない?」
あたし何言ってんだろう……
先生に荷物を届けて少し暇そうにしている
榊君を呼び出した。
特に話そうと思うこともないのに
なぜかそんな衝動に駆られてしまった。
「話って?」
「えーっと……榊君って何部だっけ?」
「俺、サッカー部でした」
ん?
サッカー部でした?
「──……過去形?」
「まぁ、隠すつもりもないから話します。
それに静香と友達ならいつかバレることなので……」
『静香』……
亜澄の名前は出てこない……
「俺、去年の初め階段から落とさ……いえ、落ちて、
膝に爆弾を抱えてしまって。
今までやっていたサッカーが出来なくなりました。」
なんで言い直したんだろう……