【完】あの子の隣にいるのはスキな人……
美咲君はあたしに笑顔を向けて
屋上から屋内へ入っていった。
あたしはなぜか涙をこぼしていた。
「なんで、泣いてるんだろ……」
バカみたい。
何も泣くところじゃない。
ギュッ
「泣かないでよ。先輩。」
え?
後ろから抱きしめられた。
耳元から聞こえる息混じりの美咲君の声。
ゾクゾクしてしまう。
「泣かないで…先輩」
なんで美咲君が、ここに居るの??
教室に戻って行ったよね……
「美咲君…?なんでここに居るの……」
あたしは静かに聞いた。