【完】あの子の隣にいるのはスキな人……
「誰が決めたんだろ……」
あたしは、小さく呟いた。
「え?」
「ううん。なんもない」
あたしは亜澄に笑いかけた。
「そっか。じゃ次始まるから応援しよっ」
「うん!!」
あたしと亜澄は少し早めに歩いて、
応援席に向かった。
「頑張れー!!」
今は障害物競走。
出場しているのは、美咲君。
前日に聞いていたから、応援中。
亜澄にも伝えて、一緒に応援してもらってる。
「あっ、高垣君じゃない?」
「ほんとだ」
美咲君はあたしたちに気づいたのか、
こちらに向かって手を振っている。
あたしと亜澄も手を振りかえした。
少し肌寒くなってきた頃に美咲君が走り出した。